質問
売主の夫が5年前に風呂で病死し、現場検証が行われました。事件性が疑われたのですが、結局、立件されることはありませんでした。その後、その建物は、5年間空き家として放置されていました。
① 空き家を取り壊し、土地として売却する場合、告知義務がありますか。
② 中古住宅として売却する場合、告知義務がありますか。
③ 告知義務があるにもかかわらず、告知しなかった場合に考えられるリスクはどのようなものがあるでしょうか。

回答
一般的には、病死・自然死の場合には心理的瑕疵には当たらず、告知義務はないと考えられています。
しかし、本件の場合は、この一般論が当てはまらない可能性があります。すなわち、警察が現場検証を行い、事件性が疑われたとのことですので、犯罪、自殺の可能性もあり、仮に訴訟になった場合、「心理的瑕疵」がある物件として扱われる可能性もあります。
①について
空き家を取り壊し、更地として売却するのであれば、5年もたっていることですし、告知義務はないとされる可能性が高いと思います。

②について
中古住宅として売却する場合、一般的に7年程度は告知義務があるとされているので、告知した方が無難かと思います。

③について
告知義務があるにも関わらず告知しなかった場合に考えられるリスクですが、売主が、瑕疵担保責任又は債務不履行責任を追及され、契約解除や損害賠償を請求されるリスクがあります。
また、告知義務があると認定された場合には、仲介業者についても、説明義務違反によって、賠償義務を負う可能性があります。