質問
当社の取引先持株会社Aの当社株式の持株比率が5%超となり、財務局より大量保有報告書の提出について検討するよう指摘されています。
ところで、取引先持株会の報告書の提出の要否については、「取引先持株会等が組合又は社団等である場合は必要」とされております。しかし、財務局にAが、組合又は社団に該当するか否かを問い合わせたところ明確な回答がありませんでした。

回答
結論としては,「Aにおいて大量保有報告書を作成するのが望ましい」と考えます。
理由ですが,Aは,規約を定めて組織化されていることなどからすると,法人格のない社団に当たると考えられます(※1)。
取引先持株会が社団に当たる場合には,Aにおける理事長を保有者として大量保有報告書を提出することになります。

※1 法人格のない社団に該当するかは,①団体としての組織が備えられていること,②団体が構成員から独立していること,③団体としての運営方法が確定していることなどを検討して判断するのが判例の立場です。これをAについてみると,Aの規約上,役員や理事会の定めがあり(①),構成員の脱退・加入にかかわらず団体としての同一性が保たれ,団体が構成員から独立しており(②),代表者の選出,団体の意思決定方法などが確定しております(③)。したがって,Aは法人格のない社団に該当することになるように思われます。