質問
当社の運送事務を委託し、車を貸しましたが、その車が故障してしまい修繕の必要があります。修繕代は誰が負担するのでしょうか。

回答
車を貸した場合、原則として、修繕の義務を負うのは車の貸主です。ただ、今回の場合、「貨物軽貨物自動車貸出契約書」の5条によると、不具合が発生した場合の修繕義務は借主が負うことになっていますので、この点を根拠にして借主が修理義務を負うという主張が考えられます。

借主に入る委託料は、借主が支払う修理代を考慮しても、通常の委託料であるという場合は、5条の特約が有効となることは十分に考えられると思います。
仮にこの特約が借主に厳しすぎるとして認められない場合は、不具合が生じるについて、借主の故意あるいは過失があったことを証明する必要があります。

次に2つ目ですが、「貨物軽貨物自動車貸出契約書」5条、あるいは借主に故意あるいは過失があったことを理由として、借主に損害賠償をする場合、借主が貴社の従業員だった場合は、借主が負担するのは修理費の数%~20%程度になることが多いです。

今回の場合は、借主は請負人とのことなのですが、請負人というのは、何をどこに運ぶ、代金はいくらということを、自分の判断で、施主あるいは元請けと契約をして、後は、施主あるいは元請けの指図を受けずに自分の判断で仕事をする人を言います。
今回の場合、このような事情はないようですので、借主は、単なる請負人ではなく従業員性を有すると裁判所に判断されることがあり得ます。

従業員性が高いとなると、本来の従業員と違っていても、(数%から20%よりは高いかもしれませんが)、実際の損害額の一部しか、損害が(裁判所によって認められないこともあり得ます)。