
「特許権侵害を伝える警告書が届いたが何をすればよいのかわからない」「知財の現場で使われる警告書とはどんな書類だろうか」「特許権侵害を止めさせたい」といった。
今回は、そのような企業、担当者の方に向けて、警告書とはどのようなものか、警告書を送る場合や警告書を受け取った場合の対応などについて解説します。初めての方にもわかりやすくご紹介しますので、ぜひ一度ご覧ください。
警告書とは

知財実務でよく聞かれる警告書とは何でしょうか。
警告書とは、警告書特許権を含む知的財産の侵害があることを前提に、権利者が権利侵害をしていると思われる者に対し、侵害行為の停止を求める書類です。
多くの場合には、訴訟提起に先立って、権利者が侵害をする者に対して送るものです。タイトルは「ご連絡」や「通知書」「警告状」など様々ですが、権利侵害を指摘したうえで知的財産権の侵害行為の停止を求めていれば、皆同様のものと見て良いでしょう。
なぜ警告書を送るのか

しばしば、特許権の行使として警告書を送付することがあります。
実は、警告書を送付しなくとも、特許権侵害訴訟を提起することが出来ます。その意味で、警告書の送付は特許権侵害訴訟に必須ではありません。
警告書をそれでも送るのは、侵害をしていると思われる者がどのような反応をしてくるかを見る目的によるものがあります。また、あわよくば、権利者からの告知をもって、訴訟によらないで侵害を停止させることが出来ることを目的としている場合もあります。
他にも、特許権の侵害をもとに、金銭の交付を求める目的な場合や、これらの目的を複合的に有している場合もあります。
権利者側の対応(警告書を送る側の対応)

警告書を送る場合には、気を付けるべきポイントがいくつかあります。
ゴールの設定
権利者側から見て、警告書は紛争のスタート地点です。そして、相手方に対して侵害行為の差し止めや金銭の支払いを求めます。
この際、紛争のスタート地点から、この事件の終わらせ方・落としどころを探していくこと、すなわち、紛争のゴールの設定が重要です。
警告書において、侵害を主張することで、「差し止めをしたい」のか「金銭を求める」のかをはっきりさせる必要があります。
金銭を求める場合においても、単に一定額を請求するほか、「実施許諾の用意がある」と付言するなどして、相手方に歩み寄りの提案をするなど、紛争の終わらせ方を相手方に意識させるためにゴールの設定をすることがあります。
何でも答えて良いものではない
権利侵害を主張する以上、権利をどのように侵害しているかの説明をしなければなりません。
他方で、警告書における侵害主張も、訴訟になった場合を想定した文章を記載すべきことになります。そうでないと、「交渉段階ではこう言っていたじゃないか」という反論を許してしまうからです。
また、手の内をさらすことにもなりますので、証拠隠滅の機会を与えたり、相手方の反論を準備させてしまうことにもなりえます。
本気度を伝える
また、警告書も書面ですので、当然文書の名義人について記載があります。
警告書が特許権者本人(会社の代表者などです。)が発信している場合と、弁理士や弁護士が発信している場合には、警告する側の本気度が変わります。
本気度を高めたい場合には弁護士を名義人としますし、より交渉において歩み寄りを見せたい場合には代表者名を維持することもあります。
警告書を受け取った場合の対応

権利侵害の有無の判定
警告を受けた側は、権利侵害について調査する必要があります。
訴訟に移行した場合にどうなるかという予測のもと、どのような交渉態度を維持していくことが望ましいかが検討されます。権利主張をあきらめさせるような見解の表明が出来ればよい一方、訴訟に耐えられない状況であれば、事件のソフトランディングを目指すこともあります。
交渉における出方を左右するという意味で、権利侵害の有無を十分判定する必要があるでしょう。
なお、権利侵害の有無だけではなく。特許登録が無効にならないか問題になることもあります。無効事由の調査など可能な限り早期にその特許に関する情報を網羅的に整理しておく必要があります。
何でも答えて良いものではない
侵害主張同様に、警告書を受け取った側もなんでも答えるべきとは限りません。
権利者の主張をよく検討して、権利者がどこまで訴訟の準備を進めてきたか、調査の進み具合を推し量ることも検討されます。
権利者の調査の進み具合を確かめるべく、回答において特許発明の構成要件と被疑侵害品の対応関係やクレームチャート(構成要件について項目ごとにその内容を整理して対比表にしたもの)の開示を求めることもあります。
まとめ

以上のとおり、警告書は訴訟によらない解決を志向する連絡文です。
事件の全体の流れを読み取ったうえで、細かい侵害の有無に関する調査や、交渉事として情報を出し合うものと言えます。
これらの対応はそう簡単にできるものではありません。警告書の送り手にも受け手にも、専門家(弁護士や弁理士)の観点から見解を示し、ゴールを目指していく必要があります。
慎重な対応が迫られる場合、弁護士や弁理士への依頼を含み、慎重な対応が迫られる場面が多くなります。
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