紛争の内容
自動車ディーラーA社の拠点(販売店)において、約4年もの間、顧客から預かったままになっている車両があった。
この車両は、顧客であるB氏が車検整備の依頼で持ち込んだもので、車検整備を完了させたものの、その後、B氏と全く連絡が取れなくなり、現状に至っているものである(車検整備代も未払いの状態)。
車両1台とはいえ、保管にはスペースを取るため、この度、適正手続きを踏んでこの車両を撤去することになった。

交渉・調停・訴訟等の経過
A社から弁護士にご依頼いただき、B氏に対して、車両の撤去(駐車スペースの明け渡し)を求める訴訟を提起した。
B氏が県外に転居した関係で送達には若干の時間がかかったものの、B氏不出頭のまま、裁判は1回で終結。
駐車スペースの明け渡しを命じる判決が出て、確定した。
その後、速やかに、強制執行を申し立て、催告執行・断行執行を経て、販売店の駐車場から車両を撤去した。

本事例の結末
販売店の駐車スペースを占拠していた顧客車両を、無事に撤去することができた(車両には価値がなかったため、その後、廃車処分となった)。

本事例に学ぶこと
顧客が長年取りに来ないからといって、販売店の方で、一方的にその車両を顧客の自宅に置いてきたり、廃車したりすることは違法であり、その後、顧客から損害賠償請求を受けるなど、トラブルに発展する可能性があります。
費用や手間はかかりますが、きちんと裁判所での手続き(訴訟、強制執行)を経て対処することが、最も安全で確実な方法です。

弁護士 田中 智美