
倒産件数に関する動向

東京商工リサーチが7月8日に発表した倒産動向によれば、2026年上半期の倒産件数が、12年ぶりに5000件を超えたということです。
また、このうち後継者不在が一因となった「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は、264件で、これまで最多だった2024年の256件を抜き、2013年以降での最多であったということです。
後継者難倒産の原因
後継者難倒産が起きてしまう原因としてしばしば挙げられるのは、
①少子高齢化の影響
②事業承継のための準備期間の不足
③事業の将来性に対する不安
と言われています。
後継者難倒産を避ける方策

後継者難倒産を避ける、すなわち、後継者不在倒産を回避するには、後継者を見つけることが必要になります。
そこで、次のような方策を検討することになります。
①親族承継を検討する。
親族承継とは、文字どおり、親族が事業承継をすることです。
通常、株の相続を通じて行われ、争いが生じるのを防ぐために、遺言で誰か一人に株を相続させるとしておくことが多いと言えます。
この場合、株の買い取り費用が生じないという点に大きなメリットがある一方、株の相続=代表者死亡が必要になりますので、速やかな承継は難しい点がデメリットと言えます。
②従業員承継を検討する。
従業員承継とは、文字通り、従業員が事業を承継することです。
この場合、株を従業員が買うことが必要になります。
従業員が株を買った時点で会社の所有権が移転しますので、速やかな事業承継が可能となる一方、従業員の株の買い取り資金が必要になる点がデメリットと言えます。
特に、優良企業であればあるほど買い取り資金は高額になってしまうので、従業員の買い取り資金をどのように調達するかが一番の問題と言えます。
③M&Aを検討する。
M&Aとは、企業の合併・買収で、いわば企業の売買です。
株の譲渡という意味では従業員承継と同様ですが、従業員ではなく、第三者に売却し株式を譲渡する点が従業員とは異なります。
一般的にM&Aの場合には、株の買収資金の心配は少ないと言えますので、資金調達の面で問題となることは少ないと言えます。
他方、仲介会社やFAへの手数料、LA(リーガルアドバイザー)への手数料、DD(デューデリジェンス)費用など、費用が高額になることが多い他、ごくまれに悪質な業者や買い手による被害が報道されるなど、取引相手の見極めが必要です。
④上記①~③が無理であれば、破産をしないで済む場合には通常清算、破産をせざるを得ない場合には破産手続をしていくことになります。
企業経営にお悩みの企業経営者の方へ

当事務所では、後継者不在=直ちに破産の提案、ということは行っていません。
資金繰り表を確認したり、売掛金の入金予定を確認したり、あるいは、返済予定を踏まえ、まずは事業の継続性を検討します。
そのうえで、後継者不在に対する対応を検討し、場合によっては、各種支援機関をご紹介することもあります。
弁護士に相談すると破産させられる、ということはありません。
当事務所では、相続による親族承継の経験、株の売買による従業員承継の経験、M&Aに関するリーガルチェック・リーガルアドバイザーの経験、金融機関や公認会計士などとのM&A研究会に所属している弁護士が所属するなど、後継者難倒産を避けるためのノウハウを有しております。また、各種支援機関をご紹介することも可能です。
後継者不在について様々な事柄にお悩みの場合、遠慮なくご相談ください。
代表者の債務整理の必要性

代表者の債務整理は必要か?
ところで、代表者の方は、法人の借入れ債務や、場合によっては取引債務も保証している場合がみられます。法人が破産すれば、保証している債務について、債権者は支払いを請求してきます。そこで、代表者も、保証している債務について、何らかの債務整理をしなければいけないことになります。その選択肢には、当然破産も含まれます。
破産以外の債務整理はないのか
代表者が取りうる選択肢としては、破産の他にも個人再生、任意整理などがあります。そのうちの一つ、「経営者保証ガイドラインによる債務整理」を簡単にご紹介します。
経営者保証ガイドラインとは、正確には、「経営者保証に関するガイドライン」と言い、「中小企業、経営者、金融機関共通による自主的なルール」で、法的拘束力はないものの、関係者は、尊重し、遵守することが期待されています。
そして、会社について法的整理・準則型手続による整理をしていることを前提に、この「経営者保証ガイドライン」において定められたルールに従って行う債務整理が、「経営者保証ガイドライン」を利用した債務整理です。
この債務整理であれば、ブラックリストの回避の可能性、住宅維持の可能性、破産以上の財産維持の可能性が残されています(保証はできませんことをご了承ください)。
詳細は、
をご覧ください。
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所の特徴

開設以来、数多くの法人破産申立・破産管財事件・代表者破産に対応してきた弁護士法人グリーンリーフ法律事務所には、破産手続に精通した弁護士が数多く在籍し、また、法人破産専門チームも設置しています。
このように、弁護士法人グリーンリーフ法律事務所・法人破産専門チームの弁護士は、破産手続や代表者保証に関する法律相談を日々研究しておりますので、法人破産や代表者の債務整理に関して、「法人破産に強い」と自信を持って対応できます。
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来35年の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。
また、各分野について専門チームを設けており、専門チームの弁護士は、各担当分野について知識・経験とも豊富で、大きな強みを持っています。まずは、一度お気軽にご相談ください。
この記事を書いた弁護士:弁護士 野田 泰彦
法人破産
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所所属、埼玉弁護士会所属の弁護士。
2009年弁護士登録後、法人破産申立事件、法人破産管財事件、通常清算などを多数取り扱っている。
日本弁護士連合会倒産法制等検討委員会幹事、全国倒産処理弁護士ネットワーク理事を務めている他、埼玉事業再生弁護団、ベイマリン事業再生研究会にて倒産・事業再生の研究に注力している。
破産実務Q&A220問、ガイドラインによる個人債務整理の実務Q&A150問、私的整理(廃業型手続)・特別清算の実務Q&A115問、事業再生と債権管理2025年1月号(冬号・187号)、同年4月号に共著者として参加。









