取適法は、多くの弁護士にとって馴染みが薄いものですが、取引内容と、取引当事者の資本金の額または従業員数によって、取適法が適用されるかどうかが決まり、適用される場合は、当事者間の契約よりも取適法が優先されます。つまり、契約書で決まっていることよりも、取適法の規制の方が優先するので、委託事業者(旧親事業者)が中小受託事業者(下請事業者)との間で、自分に有利な契約書を作っても、取適法に反する部分は、取適法に適うよう是正が必要となってしまいます。

※ 取適法で禁止される行為をしてはならないのが委託事業者、取適法によって守られるのが中小受託事業者になります。

取適法が適用される取引も多いので、委託事業者としては注意していないと取適法に違反することになり、公正取引委員会から勧告を受けたり、インターネットで会社名が公表されたりします。半面、中小受託事業者は取適法を理解していれば、取引条件を改善するために委託事業者と交渉する場合に、有力な交渉材料を持つことになります。

取適法が適用される場合、委託事業者は次の4つの義務を負います。

① 発注内容等の明示義務
② 書類等の作成・保存義務
③ 代金の支払期日を定める義務
④ 遅延利息の支払義務

また、取適法で禁止されるのは下記の11の行為です。

① 受領拒否
② 代金の支払遅延
③ 代金の減額
④ 不当な返品
⑤ 買いたたき
⑥ 物品の購入やサービスの利用の強制
⑦ 報復措置
⑧ 有償で支給された原材料などの対価の早期決済
⑨ 不当な経済上の利益の提供要請
⑩ 不当な給付内容の変更・やり直し
⑪ 協議に応じない一方的な代金決定の禁止

当事務所では、委託事業者にあたる会社からも、中小受託事業者にあたる会社からも取適法に関する相談を受けることがよくあります。また、顧問会社から、取適法に関するセミナーの開催を依頼されることもあります。