紛争の内容
会社が機械を売却したものの、買主から代金の一部が支払われないという相談がありました。一部の入金はこれまでもあったものの、残金の支払いが遅れており、話し合いをして、いついつまでには支払うという約束を取り付けたにもかかわらず、支払いがなされないとのことでした。会社としては、代金の支払いはなされないものと予想されるため、契約を解除して、預かっている代金の一部から、売却した機械が値下がりをした金額と、売却手続きのために要した費用等を損害金として差し引いた残りを買主に返金したいと考え、当事務所に依頼をしました。

交渉・調停・訴訟等の経過
買主宛てに、契約解除の意思表示と、預り金から損害金を差し引いた残金を返金する旨を記載した連絡文を送りました。契約の解除と賠償金の請求は、売買契約に添付する約款に基づくものでしたので、約款も買主に送りました。

本事例の結末
買主は当初、代金から損害金を差し引くことを了承しませんでしたが、弁護士と話を始めてから約1か月程度が経過したところで了承しました。

本事例に学ぶこと
売買の代金が未払の場合は契約を解除して、損害賠償請求をすることが可能です。契約書に特別の定めがあれば、その内容も踏まえて、適切に契約を解除して損害賠償請求を行うことがあり得ます。本件では、これらのことを実践することができました。

弁護士 村本 拓哉