営業秘密には、技術情報、顧客情報などがあります。
製造業にとっては、もちろん営業秘密の保護は大事ですが、たとえば建築業などにとっても、顧客情報は大事な営業秘密となり得るものです。
この営業秘密は不正競争防止法という法律で保護されますが、営業秘密と言えるためには、
①秘密管理性、
②有用性、
③非公知性の3つが必要です。
このうち、とくに問題になるのが秘密管理性です。
厳重に秘密として管理されていないと、秘密管理性がないと判断されるのかというとそうでもなく、とくに中小企業の場合は緩やかに判断されることがあります。
例えば、大阪地裁平成20年6月12日の場合、■プログラムや顧客データにアクセスするためのIDとパスワードは、アルバイト・正社員を問わず使用できた。■ID、パスワードを記載した紙をパソコンに貼っていた。■退職者が出てもID、パスワードは変更されなかった。■退職者を出入りさせないような指示もなかったという場合でも、「アクセスできる従業員を制限していることにかわりはないから秘密管理性を否定することはできない」として秘密管理性があるとしています。
意外と広く認められる可能性があるので、営業秘密が侵害されたという場合は、不正競争防止法が使えないかを考えてみるといいと思います。