質問
ペット飼育可の物件で、契約書には「賃料の2ヶ月分に相当する額を敷金から償却する」という記載があります。退去時の入居者負担額は、2ヶ月では賄えなかったのですが、借主は、2ヶ月の償却は納得できないと言っています。
① 賃料2ヶ月償却 という契約条件は難しいのでしょうか。
② 賃貸借契約書に、契約者の署名・捺印はあるが、日付の記入がない場合、契約書の効力はどうなりますか。

回答
①について
「賃料の2ヶ月分に相当する額を敷金から償却する」という特約が有効になるためには、
ア 借主が、2ヶ月の償却部分が、どの部分の原状回復費用になるのか了解している、
イ 通常使用による損耗についても、原状回復費用を負担し、敷金から償却されることを了解している、
ウ 通常使用による損耗の修復費用を負担する場合の負担額と、2ヶ月の償却額に大きな差がない、
などが必要となると思います。

②について
日付がなくても契約は有効に成立します。ただ、契約が有効に成立していても、その中の、原状回復特約が当然に有効になるものではなく、これが有効になるためには判例で様々な条件が要求されています。