質問
アパートの契約をしたのはAを名乗ったB。アパートを使っていたのもBで、その後の更新も、BがAの名前で行っていました。室内にはBの荷物があると思われますが、Bが住んでいる様子はありません。現在は、Bの所在は不明です。
このような場合、賃貸借契約はそもそも有効なのでしょうか。
また、未払い家賃の請求など、今後、どのようにしていったらよいでしょうか。

回答
1 契約の有効性
貸主の認識としては、Aに貸したということになると思いますので、貸主とAとの契約ということを前提に主張していくことになろうかと思います。

2 Aへの責任追及・未払い家賃の請求
上記のとおり、貸主としては、あくまで借主はAという前提で対応する場合、Aに対して未払い賃料や原状回復費用の請求をしていくことになります。
また、アパート内荷物をどうするかですが、まずは、Aが借主であるという前提で、Aに対して明け渡しを求めて行くことになり、荷物を撤去しない場合には、Aに対する明け渡し判決を得た上で強制執行をして荷物を撤去することになります。
Aが自身の荷物ではないと主張する場合には、占有移転禁止仮処分をして室内に入室し、入居者=荷物の持ち主を特定したうえで、その人物を相手に明け渡し判決を得て、強制執行をし、荷物を撤去するのが安全かと考えられます。