質問
整備で預り中の車両について、テスト走行中に事故を起してしまいました。
この車両はドライブレコーダーが付いていましたが、お客様の承諾なしでOFFにして走行中に自損事故でした。
今後、お客様と対応するにあたりどのような準備が必要でしょうか。

回答
物損事故の基本として、①損傷箇所の修理費用相当額に、②車が使えなかった期間の代車費用を加算した額を損害賠償としてお支払いするということになるかと思います。
また、本件では、一般の事故ではなく、善管注意義務を負うところの修理預かり中の店舗側がテスト走行中に起こした事故であるという特殊性から、③ある程度の迷惑料を上乗せすることも求められるかと思います。

もっとも、本件では、代車を出していますので②は生じませんし、いくら①に③を加算するといっても、当初の車両販売価格(中古108万円)を上回る金額である総額約120万円を提示しているということですから、賠償額として不十分ということはないと思います。

今後ですが、万一、訴訟などになった場合に備えて、
・これまでの経過をまとめた担当者のメモを用意しておくこと、
・当該車両の写真を撮っておくこと、
・修理費用の見積書を用意しておくこと、
・警察が作成してもらった書面のコピーをもらっておくこと、
などをしておくことが考えられます。

ちなみに、今回、お客様の承諾を得ずにドライブレコーダーをオフにしてしまった点については、事故態様が単独の物損事故であり、過失割合が争いになるようなケースではありませんので(事故状況がドライブレコーダーに録画されていないせいで、何かが立証できず、賠償金額が定まらないというケースではない)、損害賠償請求訴訟の中では特に問題にならないと考えられます。