1、病気やケガによる休職とは

私的に病気になったりケガをして(私傷病といいます)仕事が出来なくなった時に、仕事に就くことを一定期間免除し、その期間中に回復すれば復職、満了時に回復していなければ退職してもらう、というものです。

2、休職制度の目的

主な目的は、福利厚生のために、私傷病になった労働者に療養の機会を与え、いたずらに失職しないように解雇を猶予することにあります。

3、休職制度の一般的内容

(1)はじめに

ポイントは、企業の体力に応じて制度を設計することです。一度甘い内容にしてしまうと、後から厳しい内容に変更することが難しくなります。

(2)休職の対象者

休職制度は長期雇用制度における福利厚生のための制度ですから、その対象者は正社員に限定し、さらに、勤続1年未満の者は対象外とするのが一般的です。

(3)休職事由

「会社が必要と認めた場合、休職命令を発令できる」という要件を定めておく必要があります。また、休職を命じることが出来るか否かを判断するために、使用者の指定した医師の受診を命令することが出来る旨を、就業規則で定めておくべきです。
(4)休職期間

長期雇用制度における福利厚生のための制度という観点から、休職期間を勤続期間に応じて設定するというのが一般的です。

(5)休職期間中の処遇

給与は原則無給とし、賞与についてはその支給対象期間から外し、また退職金の算定基礎から除く、というのが通常の取り扱いです。

(6)解雇との関係

健康を害して勤務に耐えない労働者が出た場合、私傷病休職制度があれば、これを適用せずにいきなり解雇するのは、就業規則の普通解雇事由に「健康状態が勤務に耐えられないと認められるとき」という定めがあったとしても、原則としてできません。

(7)復職の要件

復職の要件は具体化しておくべきです。

休職規程には、

①「復職においては産業医(職場で労働者の健康管理等を行う医師のことです)ないし産業医が推薦する医師の診断書の提出が必要である」旨

②「復職が可能かは、産業医の診断結果に基づいて会社が判断する」旨の規定を入れておくべきです。

4、私傷病休職制度を運用するうえで気をつけるべきこと

休職と復職の判断は、従業員の賃金、健康状態、及び、退職にかかわる問題ですので、診断書に基づき、慎重に判断する必要があります。