土地や建物の売買は人生の中でも大きな取引になりますので、その進め方について不安を感じる方は多くいらっしゃることと思います。
今回は、さいたまで弁護士をお探しの方に向けて、土地や建物の売買にあたり前もって確認をしておくべき各場面について、弁護士の目線から解説していきます。

土地や建物の素性に関する確認事項

売買の対象となる不動産の登記簿を確認する

不動産登記簿は売買の対象となる不動産の状態を公的に示す資料です。
登記簿を確認すれば、不動産の客観的な状態(所在地、地目、面積等)、所有関係、担保が付されているか否か等が分かります。
具体的には、不動産の売主がその不動産を実際に所有しているのか、別の共有者がいないか、売主が借りている負債の担保に取られていないか等を確認し、不動産の売買契約に支障がないかをチェックします。
登記簿は法務局で取得することができますので、不動産売買に先立って確認しておくようにしましょう。

売買の対象となる不動産を現地で確認する

不動産登記簿には登録がなされた一定の情報が記載されていますが、直近に現地で撮影された写真が添付されているわけではないため、登記簿を確認するだけで当該不動産のあらゆる状態を把握できるわけではありません。
不動産登記簿の記載からは把握できない問題として、土地に廃棄物等が置かれていた、建物が違法に増改築されていた、建物に売主とは異なる人物が居住していた等があり得ますが、これらは現地を確認すれば一目でわかる事柄です。
また、今後、不動産を活用していくにあたり周辺の住環境等を確認しておくことも有用です。
不動産の対象となる不動産があまりに遠方である等の事情がなければ、不動産売買に先立って自ら現地を確認するようにしましょう。

売買の対象となる不動産の用途指定を確認する

建物建築のために土地を取得する場合、当該土地の用途指定を確認しておく必要があります。
都市計画法は、計画的な市街地形成のため、基本的に、土地を13種類の地域に分類しています。
第一種低層住居専用地域など住居に関する分類が8分類、近隣商業地域など商業に関する分類が2分類、準工業地域など工業に関する分類が3分類の計13分類となっており、分類により建築できる建物の種類、建ぺい率、容積率、高さ等が異なってきます。
建築したい建物の種類によっては取得しようとする土地の用途指定まで把握しておくべき場合がありますので、不動産売買に先立って地方自治体が発行している都市計画図を確認するようにしましょう。

売買契約に関する確認事項

売買契約書の内容を確認する

売買契約書は不動産売買に関する当事者間の決め事を一まとめにした書面です。
売買契約書には、売買の対象となる不動産の表示、売買金額、手付金・中間金の有無、不動産の引き渡し時期、契約解除の場合の処理、ローン利用時の取り決め、不動産に不備があった場合の処理、契約ごとの特約事項等さまざまな事柄が盛り込まれます。
その中には、一読すれば理解できる事柄もあれば何度読んでもどのように理解したらよいのかわからない事柄もあり、慣れていないと契約内容が自分にとって有利なのか不利なのか判断がつかないということがあり得ます。
たとえば、手付金の性質によっては一定の時期を超えると一方的な解除ができなくあるということもありますので、少しでも不安がある場合には売買契約を締結する前に弁護士に契約書の内容を確認してもらうということもできます。

重要事項説明書の内容を確認する

仲介業者を通じて不動産を購入する場合、業者の用意した宅地建物取引士から売買契約の重要部分に関する説明を受ける機会があります。
説明内容は法で定められており、不動産に付されている権利の有無などに関する説明がなされます。
重要事項説明書は交付されますが、売買契約当日の確認では内容を把握しきれないこともあるため、可能であれば売買契約の前に重要事項説明書を交付してもらい、よく分からない部分については予め説明を受けておくことが重要です。

まとめ

今回は土地や建物の売買にあたり前もって確認をしておくべき各場面について解説をしてきました。
不動産の売買は一般には一生に何度もある取引ではありませんが、多額のお金が動く取引であるため、付随するトラブルも多くなっています。
不動産の売買に起因するトラブルの多くは取引を行う前に適切な確認をしておくことで防ぐことができますので、不動産の売買にあたっては、慎重に事を進めていただくことをお勧めするとともに、場合によっては弁護士の助力を得るという選択肢があることを覚えておいていただければ幸いです。

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■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 吉田 竜二
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