破産する会社が借地上に建物を所有しています。一等地ですので借地権価格だけでも相当なものになると思うのですが、この建物はどうなるのでしょうか。

この場合、破産管財人は土地賃貸借契約を解除するか、そのまま契約を継続するかを選択することができます。

解除を選択すると、建物を収去して土地を明け渡さなければならず、多額の費用が必要になります。
また、借地上の建物には抵当権が設定されていることも多いので、そうした面でも建物の収去は難しく、事実上、解除を選択することは困難です。

そこで、破産管財人は契約継続=履行を選択し、土地賃貸借契約を継続させます(当然、その間は地代を支払わなければなりません)。
そのうえで、破産管財人としては、借地権付き建物の価値を適正に評価し、任意売却にかけ、なるべく早期に第三者に買い取ってもらうようにします。

借地権付き建物を譲渡するには、原則として地主さんの承諾が必要ですので(民法612条1項)、地主さんから承諾料を請求されることがあります。
その場合には、承諾料の負担も考慮して買い受けてもらうことになります。
定期借地契約で地主さんに保証金を差し入れている場合には、通常、保証金分も込みで買受希望額を決定します。

第三者で買受希望者がいない場合には、地主さんと交渉して借地権付き建物を買い取ってもらうこともあります。